説明
宮城県白石市の名産品であり、伝統的な木玩具です。現在「こけし」と呼ばれる木人形は、本来は「ぼっこ(童子)」「きぼこ(木童)」と呼ばれるもので、山間部で仕事をする木挽師(木材を削って食器の原型・・うるしを塗る前の無地のお椀を作る職人)が、端材で自分の子供用に作った人形が原型です。
それらが、のちに蔵王周辺の湯治場に訪れる客への土産物になり、各地の山間部・温泉地で作られるようになることで東北地方一帯に広まり、大正頃に民俗研究者や地域玩具のコレクターが「小芥子人形」(ちいさい人形 の意)と称したことで「こけし」の名称が一般的となりました。「こけし」とは、外部のコレクターがコレクションのカテゴリー分けのために呼んだ名だったのです。
当店が扱う「弥治郎」こけしは宮城県白石市の北西部、蔵王山麓の「鎌先温泉」周辺で作られたものです。
各地のこけしには産地ごとに顔の特徴がありますが、後発の産地は出来るだけ既存の顔を真似ないという暗黙の了解があったため、最初期に生まれた「弥治郎」や「遠刈田」の宮城県のこけしは最も古典的で可愛らしい表情を付けられています。
この6寸こけしは、2018年頃に当店に入荷したもので、新山民夫工人の作品です。表面蝋引きです。