説明
明治期に作られた小皿です。10㎝強のサイズで、取り皿、刺身皿、香の物等に使う一般的な汎用食器です。
当時の一般的な食器の慣習として、前面にスタンプで絵柄を付けた「染付印判」の器です。これは明治時代に初めて行われた「大量生産」を前提にした手法で、「コンニャク判」と呼ばれる弾性のあるスタンプで少しづつ絵を付けてゆく方法です。手作業による軽工業であり、未熟練者にも作業できるため、大量生産が可能になりました。
絵柄は、一般的な染付印判では中心に紋が入りその周囲を複数の模様を交互に乗せていく対称形であるのに対し、円形、扇型、雲形の中に、花、雀に松、ツル、萩、庭に立つ歌人、そして漢詩を書いた短冊をランダムに配した、非常に洗練されたデザインとなっています。このような細かな柄をきれいに印判に乗せるのは、食器の制作・絵付け技術がかなり向上していた明治末期であると思われます。
この商品は製造から100年以上が経過しているため、底部に擦れがあります。また縁や外部等にに小さな凹凸、傷等があります。これらは製造当初からのものです。古物ですので返品・交換はお受けできませんのでご了承のうえご注文下さい。
食洗機、電子レンジの使用は、原理的には可能ですがこの食器はそれらの発明以前に作られた物の為、使用の可否は保障できません。