説明
大分県日田市の山間にある皿山集落では、室町時代に渡来した窯業技術者をルーツにもつ「小鹿田焼」が400年以上にも渡ってほぼ自給自足の生産を続けています。土を採取し、集落を流れる川を使った水車で錬土し、蹴足ろくろで形成し、山の杉を燃やした登り窯で焼く。部分的に効率化はされつつ、室町時代と同じ材料と製法、ほぼ同じデザインで生産されている焼き物は全国でここだけです。
90年前に柳宗悦が訪問した時点で彼は驚嘆していましたが、さらに90年経ってもそれは失われておらず、非常に稀有な伝統工芸品として人気です。
この丸いフタ付の容器は「うるか壺」と呼ばれる小鹿田独特のもので、「うるか」=魚の内臓の塩辛(酒盗とも呼ばれるもの)を入れるための壺です。日田は内陸であるため海魚や塩が貴重で、梅年や塩などの調味料を保管するものとして使われました。
釉薬をかけ流したこの意匠は小鹿田焼の特色ある細工としてよく知られています。
満水の状態で180㏄入ります。
素朴で味のある、柳瀬朝夫氏の作品です。
作者故人のため、返品・交換等は出来ませんのでご了承下さい。